
私の仕事はWebライターで、在宅で仕事をしています。
最近、あるクライアントから納品した記事について、ちょっとした指摘を受けました。
内容は「この記事に使われている画像が、生成AIっぽくて気になる」というもの。
え? と思いました。
だって、使っていたのは、Adobe Stockの「AI除外フィルタ」を設定したうえで選んだ画像です。もちろん、明らかに不自然なものは避けていたつもりでした。
それでも「AIっぽい」と感じられてしまう。
今回は、この出来事をきっかけに改めて考えた「画像選びの落とし穴」と、私なりの対策を共有します。
なぜ“AIっぽい”と感じられるのか?
画像がAI生成かどうかに関わらず、近年は「見た目の違和感」に敏感な読者やクライアントが増えていると感じます。
では、どういう画像が「AIっぽい」と思われてしまうのか。今回のやり取りを通じて、いくつかの傾向が見えてきました。
・肌や質感がツルツルすぎる(人物写真)
・背景が完璧で影が少ない、または不自然
・構図や色味が“広告感”に寄りすぎている
・手や小物など細部がやや曖昧 or 作り込みが強い
これらは一見キレイで洗練された画像ですが、「現実感が薄い」「加工しすぎに見える」といった印象を与えることがあります。
以下の画像はAI生成による人物写真です。

ChatGPTに私が指示して描いてもらったもの。
一見リアルに見えますが、よく見ると
・肌が完璧すぎる
・眉間のシワがわざとらしい
・毛の流れも自然な乱れがなく描きすぎな印象
・顔の左右差がほぼゼロに近く、整いすぎていて「人間味」がない
・ニットの編み目が整いすぎていて、妙にのっぺり
こちらも生成AI画像です。

adobe stockで見つけたものです。
一見すると非常に美しく整ったポートレートに見えますが、やぱり「肌の質感が均一すぎる」「感情の表情がない」「髪の動きが人工的」など、人間らしさに欠けるようにも感じます。
まとめると“違和感のあるリアルさ”が、「AIっぽい」と疑われる要因になりえるのかな?って思います。
クライアントが気にしたのは“AI画像そのもの”ではない?
今回の指摘内容を読み返してみると、「AI生成だからNG」ではなく、“作られたリアル感がアフィリエイト記事のように見える”というところが引っかかったようです。
たしかに、AI生成画像の特徴として、シーンが人間の理想像に近かったり、色や構図が“広告バナー風”である、表情やポーズが作られすぎているなどがあり、記事全体の印象が「実体験」や「現場のリアル」から離れてしまうことも。
分野によっては、どんなにキレイな画像でも「作られた感」が出てしまうと、記事全体の信頼度に関わってくるとあらためて感じました。
今後の対策と自分ルールの見直し
これまでも「AI画像は避けてください」というご依頼には対応してきたつもりでしたが、今回のように“AIっぽさ”を感覚的に捉えられるケースでは、さらに一歩踏み込んだ配慮が必要です。
そこで、私自身の画像選びルールを見直すことにしました。
【今後の選定基準】
AI除外フィルタの徹底(Adobe Stockなどの素材サイトで設定)
リアルな生活感・空気感のあるものを優先
→ 整いすぎていない、影やムラが自然に入っている画像
「これ、ちょっと広告っぽいかも」と思ったら候補から外す
→ 美しさより“なじみやすさ”を優先
実際、私が書いている記事の場合、日常的な風景や手仕事の様子など、「ちょっと地味だけど温度がある」画像のほうが、記事としっくりくることが多いです。
生成AI画像を巡る印象的なエピソード
ところで少し前、海外のとある写真コンテストで、AIで生成された画像が応募され、最優秀賞を受賞したという出来事がありました。
Business Insider Japanの記事でも取り上げられていますが、その画像を制作・応募したのは、ドイツのアーティスト、ボリス・エルダグセン氏。
彼は最初から「優勝」が目的ではなく、“AI画像がどこまで本物として通用するのか”を社会に問いかけるアート活動の一環として、あえてAI生成作品を提出したそうです。
結果的に作品は審査を通過し、優勝が決定。
その後、本人が「これはAIで生成した画像です」と公表して辞退したことで、大きな話題になりました。
この出来事は、AI生成画像のクオリティの高さと、“本物らしさ”への疑念がどれほど強まっているかを象徴しているように感じます。
ちょっとした指摘も次に活かせば財産
フリーランスとして仕事をしていると、「そこに引っかかるんだ…!」というポイントでフィードバックを受けることもあります。
一瞬モヤッとすることもありますが、その都度「なぜそう感じられたのか」を冷静に考え、今後の自分の仕事に活かしていくことが大切だと感じました。
今回は「AI画像っぽい」と言われたことをきっかけに、私自身も「画像ひとつで記事の印象は大きく変わる」と再認識できました。
また一つ、経験値が上がった。
そう思って、次の案件にも丁寧に取り組んでいこうと思います。
👉 同じテーマについて、noteではちょっと違う視点でも書いています。
【在宅ライターの日常】生成AI画像をめぐる、小さなすれ違いと対応策
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