
通勤する会社もなく、仕事場は自分の部屋。
自主的に出かけるところといえばスポーツジムとスーパーマーケットみたいな日々。
そんな狭い範囲で生きていると対人スキルは最弱になり、見て見ぬふりがうまくなる。
私が磨きをかけた魔法のスキル「見て見ぬふり」でニヤついてしまった瞬間を3つお届けします。
1.旦那には内緒なんだよ♪
女性の友人と平日ランチをしたときのこと。
彼女は子どもが学校に行っている間に私とゆっくり会いたい。でも、彼女の旦那さんは、彼女が自分の用事で有給を使うことに軽くやきもちをやくご様子。
有給を消化したいけど、旦那さんのやきもちが発動するのはちょっとめんどくさいと考えた彼女は、ナイショで休暇をとることにした。
「旦那にはね、仕事に行ってくるねーって言って、いつもどおりの時間に家を出たんだよ」と紅茶を飲みながら笑う彼女。チャームポイントのえくぼがとてもキュート。
そんな彼女が着ているオーバーサイズのTシャツには「Take a holiday」の文字と、スーツケースを引くストローハットの女性の後ろ姿のイラストが。
これ、日本人によくある(わたしにもよくある)、英語の意味を特に気にせず服を選んでるパターン。
彼女は、休みを取ることをちゃんと旦那さんに伝えていました。Tシャツで。
2.練馬は東京23区
去年、北海道を旅行したときのこと。
函館山ロープウェイの駐車場は、全国各地からこの地を訪れた車で満車状態。
遠足で来てる小学生は道内の子たちなのか、「展望台来るの2回目ー!」「パパと前に来たことあるよー!」と、ほほえましい会話をしています。
その子たちを引率している先生は、子どもたちに「札幌ナンバーは北海道、弘前ナンバーは青森、仙台ナンバーは宮城……」と、ナンバーの地名から都道府県名を教えています。
こういう風景から学ぶこともあるんだな、教育者は違うなぁと感心していると、練馬ナンバーの車の前を通り過ぎるとき、「練馬は群馬」と、サラッとガセ情報を教えてた。
将来、学校の先生も勘違いすることがあると気が付いた瞬間が、あの子たちが大人になる瞬間なのかもしれません。
「練馬は群馬」の語感の良さとともに、忘れられないエピソード。
3.おいしそうなテリーヌ
クライアントからお誘いを受けて、担当者さんとお寿司屋さんで食事をしたときのこと。
地声が大きいのか、ガッハッハと海賊のような笑い方で食事を楽しんでらっしゃるおじさんがいるじゃないですか。
もう少しボリュームを調整してもらえないかなぁと少々眉をひそめつつ、こちらも食事を続けていると、「これはおいしそうなテリーヌだな!」と店内に響き渡るおじさんの声。
寿司屋なのにテリーヌ?とおじさんのお皿を見ると、そこにはジュレが添えられたおいしそうなあん肝が。
思わずニヤっとして担当者さんの顔を見ると、私以上にニヤニヤしながらこっちをまっすぐに見ていて、その目には謎の達成感があった。
なんか、この人とならもっと面白い仕事ができそうな気がした。
見て見ぬふりは処世術
「見て見ぬふり」はある種のやさしさであり、処世術。
ちゃんと見ることも大事だけど、見ないことで守られる平和と絆もある。
私は今日もそっと、あなたのことを見て見ぬふりしているよ。
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